「ほっ」と。キャンペーン

カテゴリ:第1回 呼びかけ文( 1 )

 

呼びかけ文 ( 連絡先 bato518@r2.dion.ne.jp )

 ここに、貧困な生活を余儀なくされている人びと、さらにはその恐れのある人びとに対するセーフティネットについて考える会への参加を広く呼びかけます。みなさまにも是非、メンバーになっていただき、ともに議論を深め、積極的に社会に対して提言していきたく存じます。
 この「考える会」の呼びかけ人の一人である私(経済学部・馬頭忠治)は、現在、鹿児島野宿生活者支えあう会(NPO法人認証申請中)やNPO法人やどかりサポート鹿児島(準備会)に係わっています。そこでの経験からも、こうした類の市民活動を理論的、政策的に支援していく、学際的でインターミディエイト(中間組織的)な研究団体が必要だと痛感しております。
ちなみに、「野宿生活者支えあう会」は、毎週火、木、日のおにぎり会、月1回の料理会を開催しており、この6月にはホームレス生活者実態調査をしました。また、後者の「やどかりサポート」は、障がい、貧困などの社会生活上の困難をかかえながら、連帯保証人となる人がいないために、賃貸住宅に入居できない人たちへ、連帯保証人の提供と継続的な支援をしていく事業組織で、社会福祉士や精神保健福祉士、司法書士らが中心となって現在、準備しているところです。
さらには、地域の高齢者への総合的な援助の拠点となる地域包括支援センターが市町村直轄で運営されるようになっていることや、その他、障害者自立支援法や「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」などの動向を見ても、地域における支援センターの設立は、あらゆる領域で官民問わず必要とされるようになっていると判断されます。
 現代の格差社会は、持てるものと持たざる者との格差だけではなく、地域間でも生起し、地方都市の貧困化または貧困都市の誕生は避けようがなくなっています。とりわけ、グローバル化とIT化のなか、金融と情報サービスに携わる専門テクノクラートとマクドナルド・プロレタリアートといったように仕事は二極化し、生産機能と雇用も、海外にオフショア[=移転]され、いまや、ホワイトカラーの仕事であった経理、財務、人事などの間接部門労働もアウトソーシングされ、『フラット化する世界』(トーマス・フリードマン)[=空洞化]となっています。そのため、景気回復がストレートに雇用や消費の増大に結びつくこともなくなりました。こうして、都市の力が総体として衰えるなか、社会が存続し、安定していくには、社会的弱者に限らず、だれもが、退職・転職しても、非正規社員になっても、また、離婚しても、単身であっても、病気になっても、障がいをもつようになっても、さらには、資産がなくとも、そうしたことが貧困と結びつき、アンダークラス化し、また、社会排除されることにならない仕組みが、是非とも必要となっています。
 このように、現代の貧困は、さまざまな要因によって生まれ、持たざるものが固定される傾向にあり、それは、個人的な出来事としても発生します。よって、これまでのように、経済成長を前提に、予定調和的に、事前調整策で救済できるものでもなくなっていると考えられます。周知のように、これまでの社会保障は、雇用、医療、年金、介護にいたるまで全員強制加入の保険制度が中心であり、税金を投入し、かつ保険料の支払と利用の自己負担によって運営する方式ですが、現在、その収支の均衡すら困難となっています。さらに、保険給付は、雇用や年金では、高賃金で長期勤務者ほど給付額が高くなり、少額給付などは自己責任にされるという不公正さもクローズアップされています。この意味で所得の再配分機能そのものが形骸化していると判断されます。また、雇用保険が切れた後の公的扶助は一切ないし、住宅手当もありません。一気に貧困化していきます。Last Resortとしての生活保護がありますが、憲法第25条の生存権を保障していくものとして充分に活用されていないのが現状です。このように社会保障は、予測される貧困に対する救済策を中心にしてきましたが、現在、決して充分なものではないことは明らかになってきています。しかも、先進国では、「小さな政府」どころか、Welfare StateからWorkfare Stateへ、あるいは支援国家へと変質し、“the silent surrender of public responsibility”(Neil Gilbert)が指摘され、公的扶助における国家の責任放棄が問題となっています。地域が主体となって国づくりをするといったスローガンや「就労による自立」が声高に叫ばれるようになっていることがその証左です。『平成18年度版 厚生労働白書』では、国民の相互扶助、助け合いに責任転嫁する姿勢が見え見えです。
 以上、貧困な生活を余儀なくされている人びと、さらにはその恐れのある人びとに対するセーフティネットを市民自らが築いていくことは差し迫った課題です。少なくとも貧困を可視化し、問題点を掘り下げていかなくてはなりません。この「考える会」は、こうした貧困とセーフティネットについて理解を深め、提言していくことを目的とするものです。長い呼びかけ文となりましたが、その準備会を下記の通り、開催したいと思っております。奮ってご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。     2007年6月26日   連絡先:事務局 馬頭忠治
               

-記-
 と き:2007年7月4日(水)、18:00~19:30
ところ:鹿児島国際大学、5号館、第5会議室(4階)
テーマ:1.「現代の貧困とセーフティネットを考える会」について
         2.「NPO法人やどかりサポート」の取組みについて(同法人理事による報告)

 ―― ――  -―――  切り取り線  ――――  ―― ―― ――参加申込書
氏      名学 部 学 科メールアドレス

提出先:山田晋(国際文化学部)、堀田哲一郎(福祉社会学部)、馬頭忠治(経済学部)
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by hinkon-kenkyu | 2007-07-15 10:40 | 第1回 呼びかけ文